難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうために。

身体が動かなくなっていく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を46歳で発症した夫を通して学んだこと。

ALS(筋委縮性側索硬化症)と再生医療について

【ALS(筋委縮性側索硬化症)の概略】

 ALS(筋委縮性側索硬化症)は神経系統の病気です。

脳から筋肉を動かすという指令を伝達する運動ニューロンが死滅することにより、筋肉が痩せて、次第に動かなくなってしまいます。

 神経疾患ですので、筋肉自体には何も問題はありませんが、進行の早い病気のため、発症後2~5年程で歩けなくなってしまいます。

 発症部位は患者ごとに異なりますが、多くは手や足が動かしずらいということから始まります。

 また、話しにくい、飲み込みにくいという症状から始まる場合もあります。

いずれの症状においても、進行は早く、手足が動かなくなり、飲み込み、話しづらさの他、呼吸筋や表情筋まで動かなくなっていきます。

 呼吸障害が現れると、ALS患者は人工呼吸器を装着するかどうかを決断しなければならなくなります。

 また、ALSの進行とともに、会話が困難になってくるため、コミュニケーションをとる方法をどうするかも、QOL維持のための課題となってきます。

 

・ALS(筋委縮性側索硬化症)の治療法と治療薬

   現在日本でALS(筋委縮性側索硬化症)の治療薬として認可されているものは2種類あります。

 錠剤リルテック(リルゾール)と点滴薬ラジカット(エタラボン)ですが、どちらもALSw根治させる薬ではありません。

 残存余命もしくは人工呼吸器装着までの期間を数カ月遅らせる効果があるのみです。

ALS(筋委縮性側索硬化症)において、新たな薬や新しい治療法の開発が待たれているところです。

 

・ALS患者の置かれている現状

  現在、日本国内にはALS(筋委縮性側索硬化症)患者は10万人弱いると言われています。

高齢男性に多く発症するALS(筋委縮性側索硬化症)ですが、近年では30代や20代での発症も見られます。

また、患者の多くが人工呼吸器装着による延命を避け発症後5年程でなくなる方多く見られます。 

 ALS(筋委縮性側索硬化症)の患者の多くは在宅での看護、介護を受けながら日常生活を送るため、24時間対応できる社会サービスの整備が求められています。

 

【幹細胞による再生医療とは】

  ALS(筋委縮性側索硬化症)の治療において、幹細胞を用いた治療が症状を回復させることや、進行を遅らせることが学会で報告されています。

 

再生医療とはなにか

 再生医療とは、けがや病気により失ってしまった機能を、薬などの化合物で治すのではなく、本人の細胞の再生する力を使って、身体をもとに戻すことを目的とした医療です。

 失われた組織や臓器を根本的に元に戻すことを目指していて、今までの治療とは異なる観点からアプローチしていく新しい治療法です。

 

・ALS(筋委縮性側索硬化症)の治療のための再生医療保険診療ではない

  再生医療は様々な病気、症状を治療できるのかどうかを、まだ模索している段階です。

そのため、多くの再生医療が保険適用外となっています。

日本で保険診療で受けられる再生医療は「自家培養表皮(重症熱傷および先天性巨大色素性母斑)」「ハートシート(心不全)」「テムセル(急性GVHD)」になります。(2018年6月現在)

 ALS(筋委縮性側索硬化症)のための再生医療は、保険適用外となっています。

 

・ALS(筋委縮性側索硬化症)の治療のための再生医療は先進医療でもない

  先進医療とは「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養」と定めています。

保険診療の範囲を超え、さらに厚生労働大臣の認可を経た治療法が先進医療とされています。

先進医療のなかで健康保険適用外の部分に関しては自己負担となりますが、高度療養費制度や生命保険の先進医療特約なども利用でき、自己負担額を軽くすることもできます。

 しかし、ALS(筋委縮性側索硬化症)に対する再生医療は先進医療としての厚生労働大臣の認可がありません。

 よって、ALS(筋委縮性側索硬化症)のための再生医療は全額自己負担となるのが現状です。

  

 次回、実際に私の夫が行ったALS(筋委縮性側索硬化症)の再生医療についてに続きます。