難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうために。

身体が動かなくなっていく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を46歳で発症した夫を通して学んだこと。

ALS(筋委縮性側索硬化症)が疑われたら、早めに病院に行った方がいい理由とは?

ALS(筋委縮性側索硬化症)は患者数も日本では10万人程度と少なく、また、根治ができる治療薬や治療法のない病気です。運動神経を司る運動ニューロンが死滅してしまうことによって、筋肉が次第に痩せていき、身体が徐々に動かせなくなっていく、難病です。

 ALS(筋委縮性側索硬化症)は患者それぞれによって発症部位や進行のスピードが変わります。

また、社会的に認知度の低い病気のため、症状が現れても診断されるまでに時間が掛かるのです。

 

【ALS(筋委縮性側索硬化症)はどの診療科目で診断されるか?】

 ALS(筋委縮性側索硬化症)は神経内科で診断され、治療が受けられる病気です。

なかなか聞きなれない神経内科神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉が原因で、身体に不自由な症状が現れる病気を取り扱う診療科目です。

 日本神経内科では、今まで神経内科と呼称されていましたが、脳神経内科と診療科目名を変更していくことになっています。

 ALS(筋委縮性側索硬化症)は運動ニューロンが死滅していく病気なので、脳神経内科神経内科で診断が下されます。

 

【ALS(筋委縮性側索硬化症)の症状が現れても、他の診療科目に受診してしまうのが現状】

 ALS(筋委縮性側索硬化症)の初期症状は話しにくい、飲み込みにくい、腕が上がらないなど、身体の動かしにくさとして表れてきます。

 他の病気のように、痛みや出血などを伴わないので、どの診療科目を受診すればよいのか、患者本人も迷ってしまうのです。実際に、話しにくさや、のどの違和感を感じて耳鼻咽喉科を受診した、腕や足が動かしにくいので、整形外科を受診した、どこに受診すればよいかわからず、かかりつけ医に相談した患者が多くいます。

 どの診療科目であっても、その担当医がALS(筋委縮性側索硬化症)を疑い、脳神経内科神経内科を紹介し、受診できれば問題ないのです。

 

 では、ALS(筋委縮性側索硬化症)のような症状を自覚したら早めに病院に掛かった方がよい理由とは何でしょうか?

【ALS(筋委縮性側索硬化症)という診断が早くつく】

ALS(筋委縮性側索硬化症)という病気は根本的な治療薬はないとされていますが、進行を遅らせる薬はあります。

 一度機能を失ってしまった部位を再び動かせるようにすることは困難です。

しかし、ALS(筋委縮性側索硬化症)の進行が進んでいない初期の状態から薬を服用することで、少しでも長く、身体の動ける期間を長くすることができるのです。

 実際、発症から1年未満の初期の状態から、薬を投与された患者の方が進行が遅くなるという結果も出ているのです。

 ALS(筋委縮性側索硬化症)を疑われるような症状が現れたら、できるだけ早く治療できるように、受診をお勧めします。

 

【治験に参加しやすくなる】

 ALS(筋委縮性側索硬化症)は根治できる治療法はありません。

しかし、日々医療は進歩し、ALS(筋委縮性側索硬化症)に関してもたくさんの治験が始まっています。

 それらの治験には対象となる治験参加者にそれぞれ適格基準が設けられています。

ALS(筋委縮性側索硬化症)の進行の具合、呼吸の状態、日常生活の様子など、治験ごとに適格基準が異なります。

しかし、多くの治験は発症から2年未満、呼吸、日常生活共に自立している方を対象とする場合が多くなっています。

 また、治験に参加するためには治験を行っている病院まで何度も通院しなくてはなりません。

 ALS(筋委縮性側索硬化症)が進行していくと、通院するためにも様々な困難が生じてきます。

 やはり、そういった面から考えても、発症の初期で、自立度の高い患者の方が治験には参加しやすいと思われます。

 早めに受診し、ALS(筋委縮性側索硬化症)と診断を受けることで、治験参加への道も広がっていくのです。

 

【ALS(筋委縮性側索硬化症)と診断された後、病気の受容にかける時間が長く取れる。】

 ALS(筋委縮性側索硬化症)は徐々に身体が動かなくなっていき、最終的には呼吸する機能も低下します。患者と家族は呼吸機能が落ちた時、人工呼吸器を装着するかどうかの選択をしなくてはなりません。

 また、

 病気の進行と共に身体が動かなくなっていくため、介護が必要になってきます。

ただ身体の動きがおかしいと思っていただけなのに、ALS(筋委縮性側索硬化症)という難病だった。

 患者本人にとっても、家族にとっても、受け入れがたい病気だと思います。

それでも病気は容赦なく進行していきます。

 ALS(筋委縮性側索硬化症)があまり進行していない、少しでも早い段階でALS(筋萎縮性側索硬化症)とわかれば、今後について考える余裕ができてきます。

 病気の受容にはとても時間が掛かりますが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知り、今後を考えていくことも大切なことだと思います。

 

障害年金の受給には初診日が重要になってくる】

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の場合、病気の進行によって身体を動かす機能が失われます。

その状態によっては、障がい者認定を受け、障がい者手帳を持つことができます。

障害年金の申請において重要になってくるのが、初診日です。

初診日とは、障害を持つことになった原因となる病気、けが、事故等において、最初に病院を受診した日のことです。

この最初に受診した病院は、病気などが確定診断された病院ではなく、その病気に関する受診の最初の日になります。

 例えば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された病院よりも前に、腕が上がらないと整形外科を受診していれば、その整形外科に受診した最初の日が初診日となるのです。

 この初診日から1年半後が障害認定日となり、障害年金を受給することができます。

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)が進行し、働くことが難しくなった時。

障害年金という公的年金に頼らざるを得ない場合もあります。初診日から1年半後が障害認定日となるため、初診日が少しでも早い方が、障害年金の受給開始も早くなるのです。

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)を疑うような症状が現れた場合、一日でも早く受診することで、その後のマネープランも大きく変わってくるのです。