難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうために。

身体が動かなくなっていく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を46歳で発症した夫を通して学んだこと。

難病ALS(筋委縮性側索硬化症)の治療薬について。

 体中の筋肉が萎縮して、次第に動かなくなっていく難病ALS(筋委縮性側索硬化症)。

進行のスピードは速く、発症から2~3年で車いすでの生活となり、5年以内に人工呼吸器を装着するか否かの決断をしなくてはならない病気です。

 厚生労働省により、難病指定されている病気ですが、根本的な治療薬、治療法はまだ見つかっていません。

 

そんなALS(筋委縮性側索硬化症)ですが、治療に使われている薬が2種類あります。

今回は、ALS(筋委縮性側索硬化症)の薬について記していきたいと思います。

 

【飲み薬「リルテック」について】

1999年、ALSの唯一の治療薬として認証されました。

内用薬 リルテック錠50(先発品)

    リルゾール錠50㎎「AA」(後発品)

    リルゾール錠50㎎「タナベ」(後発品)

 ALSはいまだに発症の原因が解明されていません。そのため、いくつか発症の仮説があります。

 その仮説のひとつに「グルタミン酸過剰説」があります。

 グルタミン酸神経伝達物質です。ALSの場合、その「グルタミン酸」が何らかの原因で体内で過剰に増え、そのため、神経細胞が興奮状態になってしまい、結果、神経細胞が死滅してしまうのではという仮説があります。

 リルゾールは神経細胞を保護し、グルタミン酸の働きを抑える働きがあります。もう一種類の治療薬「ラジカット」が承認されるまでは、国内唯一のALS治療薬でした。

 「リルゾール」の有効性として、生存期間、(または人工呼吸器装着までの期間)を2~3か月延長できるとされています。

 

【点滴薬 ラジカット(エタラボン)について】

 ラジカットは2015年6月、国内2つ目のALS治療薬として承認されました。

 ラジカットはもともと脳梗塞の治療薬として使用されていました。ALSにはフリーラジカルを処理する酵素の遺伝子の変異が関係しているという説もあります。

 そのため、フリーラジカルを除去し、運動神経を酸化ストレスから保護する働きのあるラジカットが承認されました。

 ラジカットは脳梗塞急性期に使用されていた点滴でした。ALSの治療のために点滴する場合、脳梗塞での使用とは異なった用法用量があります。

 まず、エタラボン60㎎を60分かけて1日1回点滴静注をします。投薬期間と休薬期間を合わせて28日を1クールとします。第1クールは14日間連日投与する投薬期間と、その後14日間の休薬期間となります。

 第2クール以降は、投薬期間14日間の間に10日間点滴静注し、その後14日間を休薬期間となります。

 ラジカットもリルテック同様、根本治療の薬ではありません。

発症から2年以内の患者に効果があるとされており、ALSの進行を遅らせる効果があります。

 

【2種類の治療薬も、根本治療はできないのがALS】

 1999年にリルテックが承認され、16年後にようやく2種類目の薬が承認されました。

しかし、どちらも完治を目指した治療薬ではありません。

ALSは進行してしまうが、「死」もしくは「人工呼吸器装着」までの期間を数カ月延長させる効果しかありません。

 しかし、今もALS新薬の開発に向けていくつかの治験が始まっています。

一般的に処方されるための承認までにはいくつものハードルがあり、費用も時間も多く費やします。しかし、ALS患者は日々進行する病状と闘いながら、完治する新薬の開発を待っているのです。