難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうために。

身体が動かなくなっていく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を46歳で発症した夫を通して学んだこと。

ALS(筋委縮性側索硬化症)の初期症状と確定診断とは?

 ALS(筋委縮性側索硬化症)の患者数は日本国内で1万人程度と患者数の少ない病気です。

 2014年頃から«アイスバケツチャレンジ»がアメリカから始まり、日本でも多くの著名人が参加したことにより、ALSの認知度は高まりました。しかし、まだ病気の原因の解明も、根本治療できる治療方法も薬も確立しておらず、謎のおおい病気です。

 そんなALS(筋委縮性側索硬化症)の初期症状についてまとめてみたいと思います。

 

【ALS(筋委縮性側索硬化症)とはどのような病気か?】

 

 ALSは筋肉を動かす指令を伝える運動ニューロンが障害を受けることにより、手や足、のど、舌など全身の筋肉が痩せていき、次第に動かせなくなっていく進行性の神経疾患です。筋肉そのものには何の異常もないが、自分では動かすことができなくなってしいます。発症から2~5年以内に手足が動かなくなり、呼吸に関する筋肉も障害され、患者は、人工呼吸器による延命を行うかどうかの決断をしなくてはならなくなります。

 現状、治療に有効な薬や治療法はなく、進行を遅らせる薬が2種類しかありません。

 

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【ALSは初期段階での診断は難しく、ALSと診断確定となるまでに数カ月かかることもある】

ALSの症状の現れ方は、患者個々人によって異なってきます。

手や腕、肩の筋肉が痩せてくる上肢型、足の筋肉が痩せてくる下肢型、食べ物の飲み込みにくさや、話しずらいことから始まる球麻痺型などがあります。

 

多くの場合、上肢型、下肢型から始まりますが、中には球麻痺型から始まるかたもいます。

 ALSの診断は神経内科で行われます。しかし、最初に現れる症状は「歩きにくい」「腕が上がらない」「疲れやすい」「話しにくい」等、患者によって異なります。

 また、患者自身も、「何かおかしいけど、なんだかよくわからない」身体に異変を感じてもどこの診療科に受診すればいいのかわからないことが多いのです。

 そのため、ALS患者が最初に受診された科は整形外科、耳鼻咽喉科、内科と多岐にわたり、その科で一般的な内服等を処方されてしまうのです。

 しかし、一向に改善されない症状、むしろ進行していく様子から、最初受診した科から神経内科へ紹介され、診断へとつながっていくことが多いのです。

 最初からALSを診断できる医者に診察されない点が、ALSの診断を遅らせる要因となっています。

 

 【ALSと診断されるまでにたくさんの検査を行うため、確定診断が遅くなる】

 ALS(筋委縮性側索硬化症)という病気は、患者個々人によって発症部位も症状も異なります。また、血液検査やMRIなどで異常は認められない病気なので、発見しにくい病気です。

 ALSの場合、この検査結果で確実に診断できるという検査はありません。

唯一、下位運動ニューロン障害の場合、筋電図検査で異常が認められます。

 筋電図検査で異常を認め、かつ、筋力低下や手足が動かない、話しずらいなど、ALS特有の症状の進行があることなどを、神経内科医が判断して確定診断となります。

 また、ALSの確定診断までの検査において、血液検査、脊髄、脳のMRI、髄液や筋肉の一部の組織検査などを行うこともあります。

 これらの検査はALSを確定するための検査ではなく、ALSではない他の病気を除外するための検査です。

 よって、ALSの確定診断には①上位運動ニューロン障害がある。②下位運動ニューロン障害がある。③球麻痺症状がある。上記①〜③の症状が進行していること、また筋電図検査によって異常が認められること、MRIや血液検査等によって他の病気が除外されることなどを神経内科医が総合的に判断し、ALS(筋委縮性側索硬化症)であると診断されます。

 進行を確認しながら、様々な検査を行うので、ALSの確定診断には時間がかかってしまうのです。

 

【早期診断のメリット】

 現在、ALSに関して様々な研究や薬の開発が進められています。新薬開発のための治験もいくつか始まっています。

治験には参加条件があり、多くの場合、進行初期の患者が対象になります。

 早期に診断が確定することにより、治験にも参加しやすくなります。

 

 また、ALSは徐々に身体が動かなくなっていくので、「動ける間にやりたいことをやっておく」という考え方は重要になってきます。

 家族との思い出を積み重ねること、仕事を続けること、また、今後の生活への変化のため、生活環境を整えておくことなど、やることはたくさんあります。

 早期に診断がつくことで、病気を受容する時間ができ、「今後」を考えることができるのです。

 

 

【まとめ】

 ALSの初期症状はなんとなく疲れやすい、転びやすくなったなどと、本人でも「まぁ、そのうち治るか」とやり過ごしてしまうような症状から始まります。

 また、最初から神経内科を受診しないことも多いです。

 早期に診断が確定し、今後に備えるためには、まず自覚症状を知り、神経内科に受診することが大切のになります。